仕事の重圧が日々私を追い詰めていました。朝起きると、仕事への恐怖と不安が心を支配し、オフィスに向かう足取りは重くなる一方でした。プロジェクトの締め切りや高まる業績目標に追われ、長時間労働が常態化していました。「頑張らなければ」と自分を奮い立たせるものの、心と体は限界に達しつつありました。
ある日、オフィスのデスクで資料を眺めていた時、突然何も見えなくなる感覚に襲われました。胸が締め付けられるように苦しく、呼吸が乱れました。それまで我慢してきた感情が一気に押し寄せてきたのです。「これ以上、続けることができない」と強く思いました。その瞬間、自分の体と心がどれだけ疲弊しているかを痛感しました。
その日の午後、意を決して医師のもとを訪れました。診断は「過度のストレスによる疲労」で、医師はすぐに休職を勧めました。休むことへの恐れや罪悪感が頭をよぎりましたが、今は自分自身を守ることが最優先だと悟りました。
休職を始めた最初の数日は、解放感と不安感が交錯していました。何もせずに過ごす時間が、こんなにも不安を伴うものだとは思いませんでした。しかし、次第にその時間が私にとって貴重なものであることを理解するようになりました。
毎朝、私は決まって近所の公園へ出かけました。自然の中を歩くことで、心が少しずつ解放されていくのを感じました。木々の緑、鳥のさえずり、風の音が、心の中の騒ぎを静めてくれました。散歩は、私にとって瞑想のような時間であり、自分をリセットする重要なひとときでした。
休職期間を通じて、私は自分自身を再発見し、仕事と自分の関係を見直す機会を得ました。仕事は大切ですが、それ以上に自分自身の健康と幸福が重要であることを深く理解しました。無理をしないこと、自己ケアを怠らないことが、長期的に見て最も大切であると学びました。